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取組事例テーマ

高知県の里地地域で生育地が減少している草原生植物の生態的特性を解明

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野山を彩る草原生植物
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高知県の里地16地域のリンドウの分布
取組概要

 農地周辺の半自然草地には,火入れ?刈り取り等の人為的攪乱に依存して個体数を維持する草地生植物(ススキ,ワレモコウ,ツリガネニンジン,オミナエシなど)が数多く生育しています。しかし,農業の近代化?集約化に伴う土地改変,農薬の過剰利用,人口減少に伴う管理放棄によって,かつて普通に存在していた草地生植物の種多様性の低下が懸念されています。攪乱に依存して個体数を維持してきた多くの草地生植物のうち,具体的にどのような生態的特性をもつ種が減少傾向にあるのかについて,十分な知見は得られていませんでした。高知県の里地16地域を対象に草原生植物50種の分布調査を行い,出現回数と生態的特性の関係性を調べた結果,生育地が減少しつつある草地生植物に共通する生態的特性として,重力散布で耐ストレス戦略性が高いこと,草丈が小さいことが共通する可能性が示唆されました。

 大利ほか(2021)植生学会誌,38巻2号p.147-159

今後の展開

 上記研究では対象種が限られていたため,今後はより多くの草原生植物を対象に分布調査と生態的特性の解明を続けていきます。

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