FOR PATIENTS AND THEIR FAMILIES

心臓血管外科診療は大きく分けて、

1.胸部(大動脈基部?弓部?遠位弓部?下行大動脈)および胸腹部大動脈手術

2.弁膜症?冠動脈疾患?不整脈を扱う心臓手術、

3.腹部大動脈から腸骨動脈、下肢(足)の血管疾患に対する末梢血管手術

の3つの領域に大きく分かれていますが、いずれも循環器疾患は生命に直結する『勝負の早い病気』であるため、迅速性と確実性が大切です。また、1日10万回血液を絶え間なく送り出す心臓や、それを受け止める大動脈にとって、耐久性も極めて重要となります。これら循環器の機能を維持できるよう治療を行うのが当科の役割となります。当科では以下のような手術も積極的に取り入れております。

【MICS(ミックス)手術(胸骨温存低侵襲心臓手術)】

弁膜症に対する弁形成術においてMICS(ミックス)手術を積極的に採用。胸骨を切らず小さな切開で行うため、術後の運動制限はなく、早い時期からのリハビリや社会復帰を可能としています。

【カテーテル治療】

弁膜症に対する大動脈弁輪拡大手術や、自己弁温存基部手術、また大動脈?末梢血管領域では腹部大動脈瘤や胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術や血管内治療を適応。開胸手術と同等以上の成績で、こちらも多くの患者さまに受けていただいております。

また、救命救急部門と連携し24時間体制で救急疾患にも対応しております。大動脈緊急症(急性A型?B型大動脈解離や胸部?腹部動脈瘤瘤の破裂)や急性冠症候群(心筋梗塞や不安定狭心症、心室中隔穿孔や心室破裂、乳頭筋断裂)、急性心不全を来す弁膜症疾患(感染性心内膜炎や腱索断裂など)、肺動脈疾患(急性肺塞栓症)、そして緊急治療を要する血管塞栓症(下肢急性動脈閉塞など)を、県内全域においても迅速な診断から、緊急治療に結びつける診療体制を構築しています。



?受診をご希望の患者様へ?
当院の外来診療は「予約制」を導入しており、初診の方はかかりつけ医の紹介状をご持参いただいています

FOR MEDICAL PROFESSIONALS

翌日以降の予約で当院に患者様をご紹介いただく際には、①診療予約申込書②紹介状の2つを当院「地域医療連携室宛て」にFAXでお送りください。

当科の専門外来は下表の医師が担当いたします。ご確認の上、担当医師宛てにご紹介願います。

初診患者の事前FAX予約

専門外来 医師名 曜日 時間
専門外来
虚血性心疾患
弁膜症心疾患
胸部大動脈疾患
医師名
三浦 友二郎
曜日
火曜日AM
木曜日AM
時間
9時00分?11時30分
専門外来
胸部?腹部大動脈疾患
ステントグラフト外来
末梢動脈?下肢静脈疾患
医師名
今井 伸一
曜日
火曜日AM
木曜日AM
時間
9時00分?11時30分
下肢静脈疾患は木曜日AMのみ
セカンドオピニオン外来
188bet体育_188bet赌场-【平台官网】医学部附属病院 『外来を受診される方へ:セカンドオピニオン外来』

REGIONAL MEDICAL COOPERATION OFFICE

地域医療連携室

当院では高知県、地域の基幹病院として、また高度先進医療機関として診療に取り組んでおります。
各医療機関の診療機能に応じた医療供給体制を整備?確立し、医療資源を適切かつ効果的に活用していくために、地域の医師会や医療機関と積極的に連携していきたいと考えております。

また当院では、附属病院全体のプロジェクトとしてかかりつけ医制度(2人主治医制)の推進に取り組んでおります。近隣医療機関の先生方と互いに連携し協同で継続した医療を行ってまいります。かかりつけ医制度(2人主治医制)の推進にご協力のほどよろしくお願いいたします。

院での地域医療連携の窓口として、地域医療連携室を設け対応しております。患者さんのご紹介方法などご不明な点がありましたら何なりとご連絡ください。

FLOW

予約受診の流れ

医療機関からのご予約

地域医療連携室 TEL:088-880-2773  FAX:088-880-2774
月~金 8:30~16:30

  1. 地域医療連携室にFAX
    診療予約申込書ならびに予約票をFAXでお送りください。
    診療予約申込書?予約票の様式はこちら
    FAX:088-880-2774
  2. 予約日?紹介状等のご案内
    予約が確定しましたら、当院地域医療連携室より予約日時をお知らせします。
    紹介状をご準備いただき、患者さまに予約日時をご案内差し上げてください。

    なお以下の点についても併せて患者さまにお伝えください。
    ?当日、予約時間の15分前までに当院1階初診受付へお越しいただくこと
    ?以下の物をご持参いただくこと
    • 紹介状(診療情報提供書)
    • 健康保険証
    • 各種医療証
    • 診察券(当院受診歴のある方のみ)
  3. 受診のご報告
    患者さまが受診されましたら、結果や方針などをご報告いたします。

OUTPATIENT DOCTOR LIST

 
午前
手術
三浦 友二郎(教授)
今井 伸一(講師)
手術
三浦 友二郎(教授)
今井 伸一(講師:第2~5週)
江戸 直樹(特任助教:第1週)
手術
午後
手術
休診
手術
休診
手術
お問い合わせ先 地域医療連携室
(紹介に関するご相談)
受付時間 月~金 8:30~17:15 電話:088-880-2701
(予約センター)   
受付時間 月~金 8:30~17:15 電話:088-880-2443
(予約の変更?確認)
FAX:088-880-2774

心臓血管領域(弁膜症、冠動脈疾患、大動脈と末梢血管)に特化した先進治療を継続し、優秀でプロフェッショナリズムにあふれたハートチームスタッフと共に、病に悩む患者さんが元気な時と同様の機能と生活の質を回復できるようハートチーム医療を行っています。

緊急で治療が必要な病気が多いため、24時間緊急手術にスタッフが常に対応できる「断らない医療」を実践し、ひとりでも多くの患者さんのお役に立てれば我々にとってもこの上ない喜びです。

INTENSIVE CARE UNIT CONFERENCE

集中治療室カンファレンス

心臓や大動脈治療後は集中治療室(ICU)に入室し、集中治療科によって管理されます。
毎朝行われる集中治療カンファレンスでは、集中治療科、心臓血管外科、看護師、理学療法士、管理栄養士、臨床工学士らが参加し多職種カンファレンスを行なっています。

心臓血管外科医は多くのスタッフに支えられ、手術に集中できる体制が整っています。

DEPARTMENT

病棟
病棟
ICU
ICU
?術室
?術室
ME
ME

FEATURES AND POLICIES

診療の特徴と方針

高知県は全国有数の超高齢社会です。
増え続けるハイリスクな患者さんを安全に手術し、なおかつその効果を継続し、元気に長生きしてもらうために必要なのは患者さんのための最適な方法を柔軟に選択することであると考えています。

医学の進歩と共に、ますます複雑化する病気に細やかに対応するテーラーメード医療が脚光を浴びているのと同様で、すなわちこれこそ「患者ファースト」の姿勢だと信じています。外科治療だけで治すことにこだわらず、内科的治療とのハイブリッド治療も常に選択肢に入れ、超高齢化社会でも安全に医療を提供できる体制を構築し実践します。

ADVANCED / SPECIAL MEDICAL CARE

診療の特徴と方針

弁膜症に対する手術では、僧帽弁?三尖弁のみならず若年患者さんの大動脈弁に対しても人工弁置換術を回避するべく弁形成術を積極的に行っています。また、胸部大動脈瘤では、高齢者が多く侵襲が大きくならざるを得ない単独外科手術だけでなく、ステントグラフトを組み合わせたハイブリッド治療により手術侵襲の低減と早期回復を図っています。

腹部大動脈瘤ではステントグラフト治療を標準治療とし、それが困難な症例に外科手術を行う方針としています。

ADVANCED EQUIPMENT / CHARACTERISTIC EQUIPMENT OR INSPECTION, ETC.

診療の特徴と方針

現在稼働しているハイブリッド手術室を使用した内科?外科共同ハイブリッド治療のうち、特にカテーテル弁膜症治療(TVT:Transcatheter Valvular Therapy)の導入に向けた準備を進めています。

また、心臓血管外科専門医、循環器専門医、超音波専門医、認定超音波検査士からなる循環器弁膜症チームによる術前3D経食道エコーと4DCT(東芝社製AquilionONE 320列MDCT)とを組み合わせにて、詳細な弁形態評価をおこない手術成績向上と診断技術の改良を常に目指しています。

診療の特徴と方針

なお、当院ではGE社製Vivid E95等の最新のハイエンド超音波装置での検査をおこなっています。虚血性心筋症では、必要に応じて核医学検査および心臓MRI[Philips社製 Ingenia 3.0テスラ]による心筋虚血、心筋バイアビリティー(生存心筋)や心臓形態の評価を冠動脈バイパス術および左室形成術の手術前に施行しております。

術前に重症心不全であった場合は、早期から心不全チームによる介入を行い、心臓専門の理学療法士とともに心肺運動負荷検査(CPX)による運動耐容能を評価したうえで、適切なリハビリを行い、1日も早い社会復帰を目指します。。

CLINICAL OUTCOMES

主な対象疾患

これまで188bet体育_188bet赌场-【平台官网】医学部附属病院心臓血管外科では主として成人心臓?大動脈疾患と末梢血管疾患に至るまで幅広く治療を行っております。なかでも2023年から導入した、胸骨温存低侵襲鏡視下心臓手術(MICS)は着実に実績を積み上げており、中隔欠損症や僧帽弁、大動脈弁だけで無く、三尖弁や不整脈治療などにも適応を拡大しています。当科で積極的に診療をしている主な疾患は以下のとおりです。

虚血性心臓疾患
狭心症、急性心筋梗塞に伴う機械的合併症(心室中隔穿孔:VSP、乳頭筋断裂、心室自由壁破裂など)、心室内血栓、心室瘤切除、冠動脈瘤、冠動脈肺動脈瘻、川崎病にともなう冠動脈疾患、 など
弁膜症性心臓疾患
大動脈弁狭窄?閉鎖不全症、僧帽弁狭窄?閉鎖不全症、Barlow症候群に伴う僧帽弁逸脱症、三尖弁狭窄?閉鎖不全症、Ebstein病、人工弁機能不全、成人先天性心疾患、肺動脈弁(再)狭窄症、感染性心内膜炎、Ross手術後の大動脈弁輪拡張症、など
不整脈性心臓疾患
心房細動?粗動、心室性不整脈、巨大左房に伴う心不全
胸部大動脈疾患
大動脈弁輪拡張症、Valsalva洞瘤、弓部大動脈瘤、遠位弓部大動脈瘤、下行大動脈瘤、成人(偽性)大動脈縮窄症、上行大動脈瘤、急性A?B型大動脈解離、慢性解離性大動脈瘤、解剖学的先天異常を伴う大動脈疾患(右側大動脈弓、左?右鎖骨下起始異常、Kommerell憩室など)高安動脈炎に伴う大動脈疾患、結合組織異常(MEMA)を伴う大動脈疾患(Marfan症候群、Loyz-Diez症候群、Ehlers-Danlos症候群) など
腹部大動脈疾患
真性?解離性腹部大動脈瘤、炎症性腹部大動脈瘤、病的高度粥状硬化を伴う腹部大動脈疾患、腹部大動脈閉塞症 など
末梢血管疾患
下肢動脈疾患(LEAD)、 包括的下肢虚血(CLTI)に対する集学的治療、大腿動脈瘤、内臓動脈瘤、膝窩動脈瘤、下肢静脈瘤
その他
2023年度の診療実績は、心臓?大動脈、末梢血管症例を含め163例(総計187例)でした、この4年間はコロナ禍の影響を受けながらも着実に増加しています。2023年1月から開始した僧帽弁および大動脈弁に対するMICS(胸骨温存鏡視下低侵襲心臓手術)は順調に症例を重ねています。また、心原性ショックや重症心不全患者さんへの機械的循環補助(Impella?)の導入開始により、ハートチームの醸成がさらに進化しました。心臓および大血管手術は合計92例、血管手術は74例と、前年を上回り、ご紹介いただいた先生方や関わった病院?医局のスタッフの皆様に心から感謝いたします。
症例のグラフ
  2020 2021 2022 2023
心臓?胸部大血管手術(OPCAB を含む)
2020
84
2021
85
2022
68
2023
88
海部?頭部大動脈?未梢動脈(血管外科グループ1~3)
2020
52
2021
73
2022
77
2023
107
弁謨症疾患(重複なし)
2020
40
2021
48
2022
29
2023
40
大動脈弁疾患
2020
26
2021
41
2022
21
2023
20
外科的大動脈弁置換術(AVR)
2020
24
2021
41
2022
18
2023
18
そのうちMICS-AVR
2020
24
2021
41
2022
18
2023
18
中隔心筋切除
2020
4
2021
2
2022
0
2023
0
弁輪拡大を伴うAVR
2020
1
2021
7
2022
0
2023
2
基部置換(BentallまたはStentless Valve)
2020
0
2021
5
2022
1
2023
1
大動脈弁形成術(AVP)
2020
2
2021
0
2022
3
2023
1
そのうち自己弁温存基部置換術
2020
0
2021
0
2022
2
2023
0
僧帽弁関連疾患
2020
19
2021
19
2022
13
2023
18
僧帽弁形成術(MVP)
2020
15
2021
12
2022
11
2023
13
そのうちMICS-MVP
2020
0
2021
0
2022
0
2023
8
僧帽弁置換術(MVR)
2020
4
2021
7
2022
2
2023
5
三尖弁形成術(TVP)
2020
3
2021
9
2022
5
2023
3
三尖弁置換術(TVR)
2020
0
2021
0
2022
1
2023
1
メイズまたは肺静脈隔離術
2020
9
2021
7
2022
6
2023
7
左心耳閉鎖術
2020
10
2021
15
2022
16
2023
13
左房縫縮術
2020
3
2021
5
2022
7
2023
3
大動脈弁+僧帽弁手術
2020
1
2021
6
2022
2
2023
1
大動脈弁置換+僧帽弁手術+三尖弁手術
2020
0
2021
1
2022
0
2023
0
虚血性心疾患(重複なし)
2020
23
2021
25
2022
21
2023
18
単独CABG
2020
18
2021
13
2022
13
2023
15
そのうちオフポンプCABG
2020
16
2021
3
2022
9
2023
4
平均バイパス本数
2020
2.72
2021
3.63
2022
3.85
2023
3
VSP閉鎖
2020
1
2021
0
2022
0
2023
0
左室破裂修復術
2020
0
2021
0
2022
1
2023
1
胸部大動脈疾患(基部を除く、重複なし)
2020
16
2021
23
2022
25
2023
28
弓部大動脈置換術
2020
9
2021
12
2022
11
2023
20
そのうち解離に伴う手術
2020
1
2021
7
2022
6
2023
10
オープンステントを使用したもの
2020
1
2021
5
2022
2
2023
12
上行大動脈置換術
2020
0
2021
6
2022
5
2023
7
そのうち解離に伴う手術
2020
0
2021
2
2022
1
2023
6
感染性上行大動脈瘤の破裂
2020
0
2021
0
2022
0
2023
1
下行大動脈置換術
2020
0
2021
1
2022
0
2023
1
胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)
2020
7
2021
4
2022
9
2023
4
そのうち解離に伴う手術
2020
1
2021
0
2022
4
2023
3
その他(先天性心疾患、腫瘍、心膜炎など重複あり)
2020
4
2021
2
2022
3
2023
4
心室中隔閉鎖術
2020
0
2021
0
2022
1
2023
0
心房中隔閉鎖術
2020
1
2021
2
2022
0
2023
2
心臓?転移性大血管腫瘍
2020
3
2021
2
2022
1
2023
2
心臓外傷
2020
2
2021
1
2022
0
2023
1
収縮性心膜炎
2020
0
2021
0
2022
0
2023
1
急性心タンポナーデ
2020
0
2021
0
2022
1
2023
0
左室内血栓除去
2020
0
2021
0
2022
0
2023
2
腹部大動脈?腸骨動脈疾患(重複なし)
2020
17
2021
31
2022
36
2023
43
腹部大動脈人工血管置換術
2020
3
2021
9
2022
22
2023
22
そのうち再置換術
2020
0
2021
1
2022
1
2023
0
腹部ステントグラフト内挿術(EVAR)
2020
14
2021
21
2022
13
2023
16
その他(瘤切除?Banding)
2020
0
2021
1
2022
1
2023
1
末梢血管疾患(重複あり)
2020
16
2021
15
2022
16
2023
28
血管内治療
2020
1
2021
9
2022
6
2023
10
下肢血管バイパス術
2020
2
2021
4
2022
3
2023
3
内臓動脈(瘤)に対する血管再建
2020
1
2021
3
2022
1
2023
1
下肢または上肢の血管外傷修復術
2020
2
2021
0
2022
4
2023
8
上肢?下肢の血栓除去
2020
2
2021
0
2022
3
2023
9
内膜摘除を伴う血管修復術
2020
1
2021
0
2022
1
2023
2
静脈瘤に対する治療(抜去術、高位結紮術、レーザー手術など)
2020
9
2021
4
2022
1
2023
3
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