188bet体育_188bet赌场-【平台官网】6年度 学位記授与式告辞(大学院)
本日、大学院修士課程、専門職学位課程及び博士課程を修了された皆様に、心よりのお祝いを申し上げます。皆様がこれまで積み重ねてこられた、たゆまぬ努力が、本日の学位取得という成果につながったことに、深い敬意を表します。また、皆様を支えてこられたご家族の皆様、指導にあたられた本学の教員をはじめ、関係各位にも、謹んでお慶びを申し上げます。
さて、皆様はこれから、それぞれの学位を携え、新たな未来へと羽ばたいていかれることと思います。中には、さらに高度な学びを追求し、次の学位を目指される方もいらっしゃるでしょう。未来は多様であり、皆様の歩む道もまた、それぞれ異なるものとなりますが、本日、本学研究科を修了された皆様に、ぜひとも胸に刻んでいただきたいことがあります。
現在、世界は多くの困難に直面しています。国際的な紛争の長期化、独裁国家の台頭、地球環境問題、新たな感染症の脅威など、まさに不安定?不確実?複雑?曖昧なVUCAの時代に突入しています。我が国もまた、国際競争力の低下とともに、これらの問題の影響を受け、地政学的なリスクの高まりにより、持続可能性が一層脆弱になりつつあります。さらに、ここ高知県においては、少子高齢化や災害リスクの増大といった課題が、全国よりも先鋭的に顕在化しており、早急な解決が求められています。
こうした課題にいかに立ち向かうべきかについて、さまざまな議論がなされています。特に我が国の国際競争力低下に対しては、イノベーションの創発とその実現を通じて国富を増大させ、持続的な発展へと導くことが喫緊の課題であると考えられます。その解決策の一つとして、「知の総和」を維持?増大させることの重要性が提唱されています。「知の総和」は「人の数」と「人の能力」の積として表されます。人口減少が進む中で、この積を維持?増大させるには、質の大幅な向上が求められるところです。具体的には、より多くの人々が高等教育を受けることはもちろん、修士?博士の学位取得者を増やすことが不可欠です。
現在、日本の大学院進学率はOECD諸国の中でも低く、博士号取得者の割合も決して多いとは言えません。その一方で、人口当たりの博士号取得者数と、各国の労働生産性には、正の相関があることが示唆されています。これを踏まえ、今後、博士号取得者を増やし、イノベーションを牽引するリーダーを育成することが、日本の発展にとって、極めて重要であるとの認識が高まっています。本日、学位を取得された皆様がまさにこの「知の総和」を増大させ、我が国の未来、さらに世界の未来を切り拓く存在となることを、心から期待しています。
さて、ここまで何度か、「発展」という言葉を口にしました。この「発展」を意味する英語は「develop」です。その反意語は「envelop」、すなわち包み込むという意味です。発展とは、内なる成長によって自己の限界を打破すること、すなわち「内発的進化」を原動力とするものです。自らを包み込んでいた殻を破る瞬間が、「develop」の「de」という接頭語に表現されています。この意味において、本日、修士?博士の学位を取得された皆様は、まさにその殻を破った瞬間にいると言えます。学位取得までの道のりを振り返りながら、内なる可能性をさらに高め、不断に進化し続けることで、持続可能で希望に満ちた未来を創り出すリーダーとして活躍されることを願っています。
皆様の今後のさらなる発展を祈念し、お祝いの言葉とさせて頂きます。本日は誠におめでとうございます。
188bet体育_188bet赌场-【平台官网】七年三月二十四日
188bet体育_188bet赌场-【平台官网】?学長 受田 浩之