公開日 2025年2月10日
脊椎動物が土壌生物に与える影響について枠組みを提案
:地上と地下の生物間相互作用の包括的な理解に向けて
自然科学系農学部門の富田幹次助教らの研究グループは脊椎動物が土壌生物群集に与える影響を5つのメカニズムに整理し、これに基づいて脊椎動物が土壌生物群集の空間構造に与える影響を提案しました。地上と地下の生物間相互作用における脊椎動物の役割を明らかにすることは、脊椎動物の生態系機能の理解に貢献することが期待されます。
これまで地上部と地下部の生物間相互作用は個別に考えられてきましたが、近年、これらのつながりが研究されています。地上部で活動する脊椎動物は土壌動物を採食したり土壌を掘り返したりすることで地下部群集(※1)に影響を与えますが、総合的な理解の枠組みはありませんでした。本研究では、脊椎動物が土壌生物群集の空間構造や分布を変え、生態系機能に波及する可能性を提示しました。
この研究成果は、2025年1月14日に国際学術誌「Trends in Ecology and Evolution」にオンライン掲載されました。
※1 地下部群集:土壌由来の餌資源と生息地に一部または完全に依存する生物の総称。土壌微生物や土壌動物を含む。
【論文情報】
論文名:The underappreciated roles of aboveground vertebrates on belowground communities
雑誌:Trends in Ecology and Evolution
DOI:https://doi.org/10.1016/j.tree.2024.12.011
公開日: 2025年1月14日